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トレーサビリティの体制を強化 [企業経営]

農林水産省は食のトレーサビリティー(生産履歴の追跡)体制を強化するため、食品メーカーや卸・小売業など、企業が取引したすべての飲食料品に関する記録の保存を義務付けます(日本経済新聞 2010年7月4日)。

民主党政権が掲げる「食の安全・安心」を実現するための具体策として、早ければ2011年の通常国会に関連法案の提出を目指すようです。

これは、食中毒などが起きた際に迅速に対処するためであり、生産、加工、卸、小売りまでの過程を事後的に検証できる仕組みを整えることが狙いです。

現在は厚生労働省が所管する「食品衛生法」で、企業に取引記録の保存を促す「努力義務」を明記していますが、罰則はありません。

それゆえ、新法案には「罰金規定」を盛り込み、生鮮品や加工品など、品目ごとに記録の保存期間を定めたい考えです。

今後、厚労省や消費者庁など関係省庁とも調整した上で、法整備に着手するようです。

また、10月からはコメやその加工品を扱う事業者に限って、記録の保存を義務付ける新制度が始まります。

残留農薬に汚染された「事故米」の不正転売事件を受けた措置です。

なお、新制度で保存を義務付けるのは仕入れ先や年月日、数量などを記載した領収書や請求書などの記録です。

対象は農家を含めた生産者から流通業者までの事業者で、電子媒体での保存も可能にします。

すでに欧州連合(EU)は事業者にトレーサビリティー体制の確立を義務付けています。

2005年に施行した一般食品法には「事業者は生産物の供給先の企業を確認するシステムや手続きを保有しているものとする」と記載し、領収書や納品書などの保管を求めています。

消費税法は課税漏れなどを防ぐため、事業者に帳簿や請求書などの5~7年間の保管義務を定めていますが、事故の原因解明などには使えませんでした。

農水省では、食中毒などが起きた際に当該企業が保存している明細の提示を求めることができるようにする方針であり、同時に、消費税法の制度を応用することで、民間企業の負担や政府の新たな予算措置を抑える考えです。

これまで消費者は表示されている内容を信じるしかなく、その信憑性は企業のモラルに頼らざるを得ない部分が大きかった訳ですが、罰則を強めることで消費者が安全な食品をより購入しやすくなることが期待されます。

今後、トレーサビリティはスタンダートな取り組みになると言えるでしょう。

大手食品メーカーの多くは、すでに通常の業務の中で実施されている部分も多いと考えられますが、依然として取り残されている企業は要注意です。

結局、事故を未然に防ごうとする企業努力がブランド力を向上させ、売上を伸ばす秘訣となります。

なぜなら、「安心・安全への物的証拠」は、マーケティングの7Pを構成するひとつだからです。

大丈夫でいきましょう!

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