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ワーク・ライフ・バランスという言葉と企業の現状 [企業経営]

今年も残すところ2ヶ月と10日となりました。

みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

近頃まで私は「ワーク・ライフ・バランスという言葉を知っていますか」とクライアントのスタッフのみなさんにうかがっていました。

理由は私が今年度の「静岡市ワーク・ライフ・バランス検討プロジェクトチーム」のアドバイザーを拝命し、プロジェクトメンバーのみなさんに最新の一次情報を提供しようと思ったからです。

静岡県は人口減少が全国でもワーストに近い状況であり、その対策が求められています。

静岡市はその一環として「ワーク・ライフ・バランス日本一のまち」を目指します。

大変素晴らしいことであり私も全力で支援していく所存ですが、これまでの経験からプロジェクトメンバーのみなさんには改めて伝えたいことがありました。

それは、「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が行政や大手企業の方々と中小企業の方々とで認識に大きな違いがあるということです。

9月上旬に3回目のプロジェクト会議が開かれました。

私はこの日まで述べ27社、391名のスタッフのみなさんに対して「ワーク・ライフ・バランスという言葉を知っていますか」と聞くことができましたが、「知っている」と手を上げた方はわずか11名(そのうち5名は経営者)でした(うかがった企業のスタッフさんの数は10人前後を中心に多くて40人程度の規模です)。

この結果にプロジェクトチームのみなさんは大変驚かれていました。

ここに行政と企業の最前線で働く人たちとのギャップがあり、ワーク・ライフ・バランスという言葉だけを追うと市民不在のままの施策となってしまう危険性があります。

しかし、ワーク・ライフ・バランスという言葉をほとんどのスタッフが知らないと答えた企業の中には有給取得率が8割を超え、スタッフが幸せに働く素晴らしい企業もあります。

当事者意識を持ったスタッフが前向きに行動され、過去最高益をたたき出した企業もあります。

女性が活躍している企業もあります。

これらの素晴らしい企業は「ワーク・ライフ・バランス」という言葉は浸透していませんが、「人を大切にする経営をしたら社員が幸せになり会社が儲かった・・・振り返ったらワーク・ライフ・バランスだった」というものです。

これは私のワーク・ライフ・バランスの結論でもあります。

このことは、みなさんもご存じの日本でいちばん社員が幸せな会社と言われる年間休日140日の未来工業さんが示されています。

以前、創業者の山田昭男相談役におうかがいした時も「ワーク・ライフ・バランス?そんな言葉知らんよ」とおっしゃっていました。

ワーク・ライフ・バランスの本質を伝えると、山田相談役は「それならうちはライフ・ワーク・バランスだな」と言って笑っていました。

ワーク・ライフ・バランスの本質・・・これはスタッフのみなさんが当事者意識を持たないと進まないということです。

そのためには、スタッフのみなさんが「やらされ」「指示待ち」の状態から脱却することが求められます。

一例を示せば、大手企業を中心に多くの会社で「ノー残業デー」という制度が実施されていますが、前向きな気持ちで取り組んでいる方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?

「ノー残業デー」という制度が時間を真剣に考えるきっかけとなり時短の実現や生産性のアップ、従業員満足度の向上に繋がっているのならば大いに評価できます。

しかし、多くの企業で形骸化しています。

「ノー残業デー」という制度も「やらされ感」「指示待ち人間」の状態から脱却しないと機能しないのです。

ワーク・ライフ・バランスは制度だけを充実させるのではなく、制度が機能する組織風土・社風を作り上げることがとても重要です。

まずはスタッフのみなさんが人生と仕事を前向きに考え、経営参画と気付きの訓練を繰り返しながら、人に褒められ、必要とされ、役に立っていることが実感できるように社風を変えていくことが求められます。

さて、前述した有給取得率が8割を超える企業は積極的に人財を採用しようとする素晴らしい会社ですが、先だっての合同企業説明会において来た学生はたったの3名でした。

こうした現状を解決するためには若者が企業を「会社名を知っているか、否か」で判断しないようにしていかなければなりません。

また「何となく東京にチャンスがある」と思うところから「静岡にもチャンスがある」と確実に思ってもらうことが大切です。

そのために、本当の意味でのいい会社をもっと静岡の学生に知ってもらう機会を創出するべきです。

実際に就職活動の解禁が夏にずれたことで、学生が会社を知る時間が少なくなっています。

望ましくない影響は確実に現れています。

以上のことから、静岡市がワーク・ライフ・バランス推進日本一を目指して人口減少対策に繋げるためには、「静岡=いい会社が多い(真のワーク・ライフ・バランスを推進する魅力的な会社が多い)」という風土を創り広く浸透させることが極めて重要です。

具体的には以下の取り組みを愚直に実施することです。

①静岡市に人を大切にするいい会社を増やすための経営支援を充実させること
②静岡市にある人を大切にするいい会社を掘り起こし周知を図ること

そのための予算を組んでいただければと切に願っております。

大丈夫でいきましょう!

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