So-net無料ブログ作成

真の働き方改革実現のために(企業編) [企業経営]

みなさん、こんばんは。

今、政府の主導で「働き方改革」が進められていますね。

私は時々「働き方改革を実現するために大切なことは何ですか?」と質問を受けます。

その時に次のように答えています。

それは、国全体ですべきことと企業全体ですべきことの2点があります。

まず国全体では「いいものを安く」という価値観から脱却することが大切です。

もうひとつ企業全体ですべきことは「1円でも高く売り、お客さまにはそれ以上の価値を提供するように人財が知恵を出すこと」が大切だということです。

前者は外部環境要因ですので実現可能性は低いですが、後者は自分たちの経営努力次第で実現できます。

これらは企業支援の現場から私が申し上げたい「結論」でもあります。

明確で単純な理由があります。

それは「そもそも私たちの働ける時間に限りがあるから」です。

労働時間は多くの企業で7時間30分~8時間です(私は労働時間という言い方から脱却することも働き方改革には必要だと思っていますがそれはまた次の機会に述べます)。

もし安く売るならば、その分たくさん売らないと売上高の伸びは見込めません。

売上が伸びず利益が少なくなってしまったからと言って働く人の給与が下げられたら意味はありません。

安くした商品をたくさん売るためには、そのための時間と商品をたくさん作る時間が余計に必要となります。

だから、労働時間は増えてしまうし、生産も追いつかないので残業もせざるを得ない状況なのです。

ところが、残業して生産しても企業の利益は決して増えません。

残業代は通常勤務よりも高いからです。
(残業代の金額=1時間当たり基礎賃金 × 時間外労働時間数 × 1.25 )

薄利多売の状態では働き方改革は進まないのです。

働き方改革を実現するためには、企業は高くても売れるように経営努力することが求められるのです。

真の経営努力とは、1円でも高く売り、お客さまにはそれ以上の価値を提供することなのです
(商品を1円でも安く作ることも大切ですが、スタッフさんの給料や外注・協力会社の費用を削って実現してはいけません。)。

そして、それができるのは企業にとってかけがえのない存在である「人財」です。

「人財」とは常に知恵を出し、行動し、チェックし、カイゼンを繰り返すことができる人です。

だからこそ、企業は働く人を「人財」となるよう大切に育成するべきだし、これこそが最も大切な経営努力なのです。

そして、働く人も企業にとってかけがえのない「人財」となるように常に努力するべきです。

この絶え間ない取り組みこそが「働き方改革」となるでしょう。

なお、働き方改革のために国や企業側が制度をいくら整えても機能しなければ意味がありません。

制度を機能させるためには、制度を活用して企業の生産性が(下がるのではなく)上がるような社風・企業風土の構築が求められます。

いい社風を構築するためには、働く誰もが人ごとではなく当事者意識を持って「人財」としての仕事をすることが必須です。

人ごと感、やらされ感の「人在」や、会社の方針に文句ばかりを言って足を引っ張る「人罪」がいるような社風では働き方改革の推進は難しいのです(だから企業はそのような人たちをいかに「人財」にするかが求められるのです。これは風土改革でもあり、いい会社にするための取り組みでもあります。)。

さて、政府が進めようとしているプレミアムフライデーという取り組み(毎月最終金曜日は午後3時に仕事を終える)も単純に労働時間を短くする訳ですから、労働時間あたりのアウトプットを高くすること、つまり付加価値生産性(単純に販売価格)が高くなるようにしなければなりません。

プレミアムフライデーを推進した結果、働くスタッフさんの賃金が下がったり、その分の残業が増えたり、外注さんへの支払金額を減らしたりしたら本末転倒です。

労働時間を短くするならば、販売価格が高くても売れるように努力することが求められるのです。

私はこれらの本質を踏まえるならばプレミアムフライデーもぜひやってみるべきだと思います。

きっと知恵がでるでしょう。それが真の経営革新に繋がるかもしれません。

そもそも政府が進めている「賃上げ」も本質は全く同じで、「いいものを安く」という価値観から脱却しないと難しいと考えています。

1円でも高く売るために知恵を絞り、さらに、お客さまにはそれ以上の価値を与えるためにはどうしたらいいかの知恵も絞り実践することができる企業ならば働き方改革も賃上げも進むことでしょう。

繰り返しますが、真の経営努力は1円でも高く売り、お客さまにはそれ以上の価値を提供することであり、なおかつ、それができる「人財」を増やすことなのです。

そうした「人財」こそが真の働き方改革を実現できると断言します。

そうです。

真の働き方改革を推進することは、いい会社にする取り組みそのものなのです。

実際に私が存じ上げている「真のいい会社」はすべて価格競争をしませんし、高くても売れるように「人財」が常に知恵を出し、お客さまにそれ以上の価値が提供できるように工夫し続けているからです。

具体的に、未来工業さん、伊那食品工業さん等の「真のいい会社」は働き方改革を絶え間なく実践している企業だと言えます。

もしプレミアムフライデーを実施したとしてもきっと追い風にすることができるでしょう。

国全体の話に戻ります。

そもそも我が国は自国の高級ブランドが育ちにくい風土です。

それはなぜなのか考えることも働き方改革の実現に大切なことではないでしょうか。
(トヨタ自動車がなぜレクサスという高級ブランドを必要としたか考えることも大切です。)

結論としては、働き方改革もプレミアムプライデーも大いに進めるべきです。

ただし、それが可能となるために必要な条件は「いいものを安く」という価値観から脱却し、どうすれば1円でも高く売れるようになるかスタッフ全員が経営参画して考えることです。

未だ「いいものを安く」を追求することが経営努力だと錯覚している方がとても多いのですが、それこそが働き方改革の障壁であり、もっと言えば我が国全体が未だデフレ経済から脱却できていないそもそもの理由です。

価格がゼロに向かっていく経済や経営に明るい将来があるとは到底思えません。

逆転の発想で真の働き方改革を実現するべきです。

これは真のいい会社になるための取り組みそのものなのですから。

真にいい会社を国全体で増やしていきましょう。

大丈夫でいきましょう!

追伸:公務員の方々の働き方改革については別の機会に述べたいと思います。